大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(ネ)2541号 判決

証人今井の証言は、昭和三八年ごろ本件建物敷地の購入につき野沢から控訴人常谷を介して被控訴会社に話があつたとき、同証人が被控訴会社代表者明石茂治にすすめた結果、湯島天神下の被控訴会社工場で右明石茂治から同控訴人に対し「あんたも家がないんだから先に土地を買つてそのほうを払い終えたら月賦で建物を会社から買つたらいいではないか」という話があり、同控訴人は喜んでいたというのであり、控訴人の常谷の原審および当審における尋問結果は、同控訴人が両親を引きとつて本件建物に住むようになつて間もなく(昭和三五年末か昭和三六年始めごろ)、右明石から「どうせ長いこと住んでいるんだし、その家屋をあんたが買うように」という話があつたとか、明石と同控訴人との間で「どつちみち常谷は東京に住むのだから買わないか」「それじや買わしていただきます」というやりとりがあつたというのであるが、右の各話合の時期は喰い違うばかりでなくこの程度の話合をもつては将来控訴人常谷が本件建物の買受けを希望すれば、被控訴会社はそれに拘束されて、両者間に売買が成立する趣旨のものであつたとはいい難い。

(岸上 小野沢 田中)

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